ぶしどうマネジメントの指針集 『論語』より

参考図書『論語』宇野哲人全訳注 講談社学術文庫

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「曾子曰く、士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。仁以て己が任となす。亦重からずや。死して後已む。亦遠からずや。」

読み方「そうし いわく、しは もって こうきならざる べからず。にん おもく して みち とおし。じん もって おのが にんと なす。また おもからずや。しして のち やむ。また とおからずや。」

(意味)曾子が言うには、学に志す者は心が広くて力が強くなければならぬ。任務は重く、道は遠い。仁を自らの任務としているのであるから、重いではないか。死ぬまで担がねばならぬ。道が遠いではないか、と。

→ リーダーたることを自らに誓った者は、一生重い荷物を背負うことになる。

その覚悟が無ければ、とてもではないが、リーダーは務まらない。

常に仁であることを追求し続けることになる。いつ死んでもいいように、常に仁でなければならぬ。






「詩に興り、礼に立ち、楽に成る。」

読み方「しに おこり、れいに たち、がくに なる。」

(意味)詩を学ぶならば正しい心が自然に起こり、礼を学ぶならばその心が動かされないようになり、楽に学ぶならば純粋至善の地位に到達する。

→ 何ごとも学ぶに当たっては順序というものがある。

最初は入りやすいところから入り、形を整え、その形も心も自然に出来るようになるまで訓練するのだ。

そうすれば、臨機応変の動きも可能となる。実戦で使えるようになる。





「民は之に由らしむべし、之を知らしむべからず。」

読み方「たみは これに よらしむべし、これを しらしむ べからず。」

(意味)民衆は、上位のものの道に則った振る舞いを見せてそれに従うようにさせるのがよい、道を口で説明するのではなく。

→ 例えば家庭では、子供は親がやっているように行動するものだ。

自分はテレビを見ながら「勉強しなさい」と言っても、子供はやっぱりテレビを見る。

だから、率先垂範することがリーダーには欠かせないことである。まず自分が徹底的にやろう。






「勇を好んで貧を疾めば乱す。人として不仁なる、之を疾むこと已甚しければ乱す。」

読み方「ゆうを このんで ひんを にくめば らんす。ひととして ふじんなる、これを にくむ ことは なはだしければ らんす。」

(意味)勇気ばかり好んで貧しいことを憎む者は乱を為す。不仁の人をひどく憎むと必ず乱を為す。

→ 貧しいことを憎んで、かつ勇気がある者はお金儲けを積極的に行おうとし、乱れてくる。

また、他人の行いに対して寛容さが無ければ、こちらの精神が乱れてくる。

真のリーダーは乱れない。常に冷静である。






「如し周公の才の美ありとも、驕且つ吝ならしめば、その餘は観るに足らざるのみ。」

読み方「もし しゅうこうの さいの び ありとも、きょう かつ りんならしめば、その よは みるに たらざるのみ。」

(意味)もし周公のようなすばらしい才能をもつ者がいるとしても、他人に誇り、他人の才能を嫌うならば、本となる徳を失っているから、その余の才能は観るに足らぬものである。

→ いくら才能が優れていても、徳が薄ければ生かしきれない。

仁の徳が備わっていてこそ、人は彼の才能をありがたく思い、支援しようとするのだ。

社会のために才能を使おう。そうすれば、大きく花開くときが必ず来る。






「三年学びて穀に至らざるは得易からざるなり。」

読み方「さんねん まなびて こくに いたらざるは えやすからざるなり。」

(意味)長い間学問をしていながら、それで仕えて俸給を得ようとしない人間は得がたいものだ。

→ 学問が生活の手段になっているのは、現代も同じだ。

自分自身を成長させるための学問なのに、それをお金にかえようとする。

お金との交換を考えない者ほど、多額のお金を手にするのは面白いことである。






「篤く信じて学を好み、死を守りて道を善くす。」

読み方「あつく しんじて がくを このみ、しを まもりて みちを よくす。」

(意味)厚く聖人の道を信じて学を好み、死んでも変わらずその道を守り行う。

→ 死んでも変えないというほどの信念があるか。

人間の力は、思いから生まれる。思いが強いほどパワーも大きい。

その思いが高いレベルの価値観に支えられているならば、社会のためにもプラスだ。






「危邦には入らず、乱邦には居らず、天下道あれば則ち見れ、道なければ則ち隠る。」

読み方「きほうには いらず、らんぽうには おらず、てんか みち あれば すなわち あらわれ、みち なければ すなわち かくる。」

(意味)滅亡しそうな国には避けて入らず、乱れている国には長く滞在せず、天下に正しい道が行われる時には仕えて道を行い、正しい道が行われないときには退いて隠れる。

→ つまり、天下に望まれている時には出て、望まれない時には出ないということ。

それでこそ主導権がとれる。

孔子は自分の力を最大限に発揮するタイミングを知っていたのだ。






「邦道あるに貧しく且つ賤しきは恥なり。邦道なきに富み且つ貴きは恥なり。」

読み方「くに みち あるに まずしく かつ いやしきは はじなり。くに みち なきに とみ かつ とうときは はじなり。」

(意味)世の中で正しい道が行われているのに用いられないで貧しく賤しい地位にいるのは棄てられたのだから恥辱である。正しい道が行われていないのに用いられて富貴の地位にいるのは節操が無くお金をむさぼっているのだから恥辱である。

→ 政治家を見ればよくわかる。ただ貪っているだけの政治家のなんと多いことか。

企業内でも、正しい理念のもとに運営されきちんと治められているときと、そうでないときがある。

ただお金を貪るために出世し、上位の職にあるなどは節操が無く、恥だ。






「その位に 在らざれば、その 政を 謀らず。」

読み方「その くらいに あらざれば、その まつりごとを はからず。」

(意味)その地位にいなければ、その仕事を行わないものだ。

→ 経験不足の者は、それだけその仕事に関する知識が少なく、十分な仕事ができない。

与えられた仕事をおろそかにして、他の仕事をやってもうまくいくわけがない。

今、ここに集中して仕事をすれば、自ずから上位の地位を与えられるものだ。






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