ぶしどうマネジメントの指針集 『論語』より

主要参考図書『論語新釈』宇野哲人著 講談社学術文庫

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「学んで思わざれば則ち罔く、思うて学ばざれば則ち殆し。」

読み方「まなんで おもわざれば すなわち くらく、おもうて まなばざれば すなわちあやうし」

(意味)学ぶだけで考えなければ深い理解にはほど遠く、考えるだけで学ばなければ空想に過ぎずあやうい。

→ 現代の日本人は、知識を学ぶだけで考えることをしない。

だから深い理解にほど遠く、人のマネをしては失敗する。

学ぶことはできている。先に進めるかは、自分なりにどれだけ考えるかにかかっている。






「異端を攻むるはこれ害のみ。」

読み方「いたんを せむるは、これ がい のみ」

(意味)異なる学説を攻撃するのは、ただ感情的に対立するだけで害のみである。

→ 自分の意見と違うからと真っ向から反論するのは、害が大きい。

対立を対立のままにするのはレベルが低い。

異なる視点からものごとを見た場合に、対立するものを統合できる。統合力を身につけよう。






「之を知るを之を知るとなし、知らざるを知らずとせよ。是れ知るなり。」

読み方「これを しるを これを しると なし、しらざるを しらずと せよ。これしるなり」

(意味)知っていることを知っている、知らないことを知らないとせよ。これが真に知るということだ。

→ この平凡なことがなかなか難しい。

特に自分の地位や年齢が高くなってくると、つい「知ったかぶり」をしてしまう。

「知らない」のは恥ずかしいが、「知ったかぶり」はもっと恥ずかしい。気をつけよう。






「多く聞きて疑わしきを闕き、慎んでその余を言う、則ち尤め寡し。多く見て殆うきを闕き、慎んでその余を行う、則ち悔寡し。言うて尤め寡く、行い悔寡ければ、禄その中に在り。」

読み方「おおく ききて うたがわしきを かき、つつしんで その よを いう、すなわちとがめ すくなし。おおく みて あやうきを かき、つつしんで その よを おこなう、すなわちくい すくなし。いうて とがめ すくなく、おこない くい すくなければ、ろくその うちに あり。」

(意味)多く聞いても確信できないことは除いて、それ以外の間違いないところを人に言えばとがめられることは少ない。多く見てもあやうい行為は除いて、それ以外の正しいと信じる行為を行えば後悔することは少ない。発言してとがめられることが少なく、行って後悔が少なければ、評判が良くなって仕事の場所を得、お金は入ってくるものだ。

→ 現代は、知ったかぶりをしたり、誠からの行動が少なく失敗して後悔したりする人が多い。

確信したことだけを言い、正しいと思ったことだけをする人間は信じられる。

こうすれば、短期的には損をすることもあるだろうが、長期的には得をする。しかし、損得では無いのだ。






「直きを挙げて諸の枉れるを錯けば則ち民服す。枉れるを挙げて諸の直きを錯けば則ち民服せず。」

読み方「なおきを あげて もろもろの まがれるを おけば すなわち たみ ふくす。まがれるをあげて もろもろの なおきを おけば すなわち たみ ふくせず。」

(意味)正義の人を採用して正義に反する人を用いなければ民は服します。正義に反する人を採用して正義の人を用いなければ民は服しません。

→ どんな人を幹部に登用するか。

つい自分が使いやすい人、自分の意見にすんなり従う人を登用してしまう。

判断基準がそれではいけない。常に正義の人を登用すべきである。そうすれば社員が従う。






「之に臨むに壮を以てすれば則ち敬す。」

読み方「これに のぞむに そうを もって すれば すなわち けいす。」

(意味)国民に対して心から容貌に威厳をたたえて接すれば、国民は上の人を尊敬します。

→ 心の中は、表情に現れる。

表情が軽い人は、心も軽い。

本当に部下のことを思っている上司には、その思いやりがやさしさや厳しさの表情となって現れる。






「孝慈なれば則ち忠なり。」

読み方「こう じ なれば すなわち ちゅうなり。」

(意味)自分の親には孝をつくし、国民には慈愛を施すならば、国民は上の人に忠をつくします。

→ 部下に忠義を尽くさせるには、そうするよう命令するのは下策である。

まず自分が上に忠義を尽くし、部下には愛をもって接することだ。

自然に、臨機応変に動ける部隊は、そうやってできあがる。






「善を挙げて不能を教うれば則ち勧む。」

読み方「ぜんを あげて ふのうを おしうれば すなわち すすむ。」

(意味)国民のうち善を行う者は採用し、善を行うことができない者には善を教えて導けば、国民は努力して善を行うようになる。

→ 「うまい者」でなく「善い者」を上に取り立てよう。

「うまい者」を取り立てると、競争ばかり激しくなり、人が人を育てるという美風が廃れる。

「うまい者」は金で、「善い者」は地位で報いるようにするとよい。






「人にして信なきは、その可なるを知らざるなり。」

読み方「ひとに して しん なきは、その か なるを しらざる なり。」

(意味)人に信という徳がなくて、それでよいというのは私にはわからない。

→ 信とは、心と言葉、言葉と行いが一致すること。

それらを一致させるために人生という修行の場があるといってもよい。

トップたるもの、信が無ければ、心からついていくものは一人もいない。






「子張問う。十世知るべきか。子曰く、殷は夏の礼に因る。損益する所知るべきなり。周は殷の礼に因る。損益する所知るべきなり。其れ或いは周に継がん者は、百世と雖も知るべきなり。」

読み方「しちょう とう。じっせい しるべきか。し いわく、いんは かの れいに よる。そんえき する ところ しるべきなり。しゅうは いんの れいに よる。そんえき する ところ しるべきなり。それ あるいは しゅうに つがん ものは、ひゃくせいと いえども しるべきなり。」

(意味)子張「十代後の王の時代のことが先生はわかりますか」孔子「殷は夏の礼を継いだが、何を減らして何を増やしたかは今わかる。周は殷の礼を継いだが、何を減らして何を増やしたかは今わかる。だから今後周を継いで王になる者がどうするかは百代後のことでも推し量ることができるよ。」

→ 未来を知るのに、占いなどに頼ってはいけない。

過去を分析すれば、未来が見えてくるのだ。

あくまでも科学的に考えることが大切。自分の頭を使って、先のことも予測しよう。






「其の鬼に非ずして而して之を祭るは諂うなり。」

読み方「その きに あらずして しかして これを まつるは へつらうなり。」

(意味)自分が祭るべき祖先の霊でもないのに、これを祭るのは諂っているのである。」

→ お礼を言うべきときでないのに、感謝の言葉を述べたり、

おかしくもないのにニヤニヤとした表情を浮かべていたりするのは、ひたすら身を守ろうとしているのである。

自分を守ることばかり考えている人物は、いざというとき働けない。






「義を見て為さざるは勇無きなり。」

読み方「ぎを みて なさざるは ゆう なきなり。」

(意味)正しくて当然為すべきなのにしないのは、勇気が無いのである。」

→ 判断基準は正しいか正しく無いかが根本にくるべきである。

正しくても損するならせず、正しくなくても儲かるならするという世の中になっていないか。

日本人が本来の正しい道を取り戻せば、名実共に世界のリーダーになれる。



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