ぶしどうマネジメントの指針集 『論語』より

参考図書『論語』宇野哲人全訳注 講談社学術文庫

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「子曰く、巧言は徳を乱る。小を忍ばざれば則ち大謀を乱る。」

読み方「し いわく、こうげんは とくを みだる。しょうを しのばざれば すなわち たいぼうを みだる。」

(意味)孔子がいうには、巧みに説く言葉は是を非とし、非を是として徳を乱すものである。小さいことを我慢しないならば、大事を成し遂げることはできず、乱すものである。

→ 人は長期的な観点に立たなければならない。

そうすれば、非を非とする勇気、小事を我慢する勇気がわく。

あなたは何を成し遂げたいのか。まずそれを明らかにしよう。






「子曰く、衆之を悪むも必ず察し、衆之を好むも必ず察す。」

読み方「し いわく、しゅう これを にくむも かならず さっし、しゅう これを このむも かならず さっす。」

(意味)孔子がいうには、大衆が憎んでいる人も必ず自分の頭で考察を加えて判断し、大衆から人気がある人も必ず自分の頭で考察を加えて判断する。

→ 一事が万事「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という日本人。

他人の頭に頼り、判断する姿勢は改めなければならない。

憎まれている人も、好まれている人も、先入観を捨てて接し、人物を判断しよう。






「子曰く、人能く道を弘む。道の人を弘むるに非ず。」

読み方「し いわく、ひと よく みちを ひろむ。みちの ひとを ひろむるに あらず。」

(意味)孔子がいうには、人はよく道を大きくするが、道が人を大きくすることはできない。

→ 世の中に「道」があって、それが勝手に「人」を大人物にするのではない。

「人」が主体的に努力することによって、「道」を大きくできるのだ。

小人物なのは、努力不足のせい。己に厳しくありたいものだ。






「子曰く、吾嘗て終日食わず、終夜寝ねず、以て思えリ。益なし。学ぶに如かざるなり。」

読み方「し いわく、われ かつて しゅうじつ くらわず、しゅうや いねず、もって おもえり。えき なし。まなぶに しかざるなり。」

(意味)孔子がいうには、自分はかつて、一日中食う暇も無く、寝る暇も無く思い続けた。しかし、何の益もなかった。ただ思うのは、昔の聖人や賢人の書物から学ぶには及ばないのだ。

→ 「学んで思わざれば則ち罔し、思うて学ばざれば則ち殆し」(為政篇)

学ぶことと思うことの両方が大切だ。

現代人は学ぶばかりである。自分の頭で考える習慣をつけよう。






「子曰く、知之に及ぶとも、仁之を守ること能わざれば、之を得と雖も、必ず之を失う。」

読み方「し いわく、ち これに およぶとも、じん これを まもる こと あたわざれば、これを うと いえども、かならず これを うしなう。」

(意味)孔子がいうには、智は己を治め人を治める道理であるが、これを知っても、私欲無き仁の徳をもってこれを守れなければ、ひとたび得ても必ず失ってしまうものである。

→ 私欲を捨てること。これはどのようにすればできるであろうか。

人間は意思の動物だ。ということは・・・。

「私欲を捨て、社会に尽くす」と決意を固めるしか、私欲を捨てる方法は無い。






「知之に及び、仁能く之を守るとも、壮以て之に@まざれば、則ち民敬せず。」

読み方「ち これに および、じん よく これを まもるとも、そう もって これに のぞまざれば、すなわち たみ けいせず。」

(意味)智は道理を知るに足り、私欲無き仁の徳でこれを守ることができても、荘厳な容貌をもって民に臨まなければ、民はあなどって尊敬しない。

→ 人を動かすには、こちらに重々しい雰囲気がいる。

真剣に、まじめに打ち込んでおり、一歩も引かない感じ。

今はやりの軽さを出すのは、お笑い芸人ならよいが、リーダーはそれではいけないのだ。






「知之に及び、仁能く之を守り、壮以て之に@むとも之を動かすに礼を以てせざれば、未だ善ならざるなり。」

読み方「ち これに および、じん よく これを まもり、そう もって これに のぞむとも これを うごかすに れいを もって せざれば、いまだ ぜん ならざるなり。」

(意味)智は道理を知るに足り、私欲無き仁の徳でこれを守ることができ、荘厳な容貌をもって民に臨んでも、民を感動させるのに礼をもってしなければ、まだ善を尽くしたとは言われない。

→ 人を動かすとは、人を感動させることである。

心から納得して動くには、その前に感じることが必要なのだ。

感動させるには、礼がいる。礼を尽くそう。






「子曰く、君子は小知すべからず、而して大受すべし。小人は大受すべからず、而して小知すべし。」

読み方「し いわく、くんしは しょうち すべからず、しかして たいじゅ すべし。しょうじんは たいじゅ すべからず、しかして しょうち すべし。」

(意味)孔子がいうには、君子は小事をもってその人物を知ることはできないが、大事をまかせればこれを引き受ける力量がある。小人は大事を引き受けることはできないが、小事をさせればその人物がわかる。

→ 天下国家を論じるのは簡単だが、天下国家のために働くことは難しい。

君子は、そのような大きな任務を引き受けることができる。

小人は、自分の利益になることはするが、他のためには働かない。






「子曰く、民の仁に於ける、水火より甚だし。水火は吾踏んで死する者を見る。未だ仁を踏んで死する者を見ず。」

読み方「し いわく、たみのじんにおける、すいかよりはなはだし。すいかはわれふんでしするものをみる。いまだじんをふんでしするものをみず。」

(意味)孔子がいうには、人に仁が必要なことは水火以上である。水火を踏んで死ぬ者を見たことがあるが、まだ仁を踏んで死ぬ者を見たことが無い。なぜ仁を為すことをしないのか。

→ 水や火は生活に必要だが、戦争でも水攻め、火攻めなどで用いる。

つまり生き物としての人間の生死に関わりのあるものだが、仁はそれ以上のものだ。

人間が動物と違うのは思想をもっている点である。低い思想しか持たなければ、動物と変わらない。






「子曰く、仁に当っては師に譲らず。」

読み方「し いわく、じんに あたっては しに ゆずらず。」

(意味)孔子がいうには、仁を行うのを己の任とすることは、師に対しても譲ってはならないと。

→ 仁を行うことは、何にもまして優先すべきことだ。

己の規範として確立し、日々実践しなければならない。

そうしておけば、いずれ大きな仕事を成し遂げることができるだろう。




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