ぶしどうマネジメントの指針集 『中庸』より

参考図書『中庸』宇野哲人全訳注 講談社学術文庫
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「大徳は必ずその位を得、必ずその禄を得、必ずその名を得、必ずその寿を得」

読み方「たいとくは かならず そのくらいを え、かならず その ろくをえ、かならず その なを え、かならず そのじゅを う」

(意味)徳の高い者は、かならず地位、禄利(お金)、名声、寿命を得る。

→ 私欲を捨て、天の意思に従って行動するものは、すべてに恵まれる。

世のため人のために生きようとする者にはすべてが与えられる。

トップがそうであれば、社員は幸せになれる。

「天の物を生ずる、必ずその材に因って篤うす」

読み方「てんの ものをしょうずる、かならず その ざいに よってあつうす」

(意味)天が物を生み出すにおいては、かならずそれぞれの性質を発揮させるようにする。

→ それぞれ天分をもって人間は生まれてくる。

天は、人間がその天分を発揮できるように仕組んでいる。

天分に気づき、素直にそれを発揮すれば、社会貢献になるのだ。


「それ孝者、善く人の志を継ぎ、善く人の事を述ぶる者なり」

読み方「それ こうは、よく ひとのこころざしを つぎ、よく ひとの ことを のぶるものなり」

(意味)そもそも孝というものは、しっかりと父祖の志を継承し、為された事業について受け継いで述べるものである。

→ 経営者が何代かにわたると、創業の理念が廃れてくることが多い。

後継者は「何のための会社か、戦いの目的は何か」をよく考えねばならない。

特に父の後を継いだときには、感情的にならず、冷静に創業の理念を確認することだ。


「その人存すれば則ちその政挙がり、その人亡ずれば則ち政息む」

読み方「その ひと そんすればすなわち その まつりごと あがり、その ひとぼうずれば すなわち まつりごと やむ」

(意味)優れた人物がいれば政治はよく行われるが、いなければ政治は滅びて行われない。

→ よい経営が行われるかは、ひとえにトップとその補佐(幹部)にかかっている。

制度を整え、教育を行っても、トップと幹部に人がいなければうまくいかない。

問題の原因を自分に求め、主体性を発揮する人をトップに据えよう。


「政を為すは人に在り、人を取るは身をもってす」

読み方「まつりごとを なすは ひとにあり、ひとを とるは みを もってす」

(意味)政治をよく行うためには優れた人物を得ることが必要だが、そのためには自身が明君でなければならぬ。

→ 経営幹部に優秀な人物を得ようと思ったら、まずトップ自身が優れていなければならない。

優れた人物は、自分が存分に働ける会社を選ぶ。

中小企業では、会社すなわち社長のことである。


「身を修むるは道をもってし、道を修むるは仁をもってす」

読み方「みを おさむるは みちをもってし、みちを おさむるは じんをもってす」

(意味)(国王が)自分の身を修めるのは道をもって手本とするが、道を修めるには思いやりが本になる。

→ 思いやりとは、相手の身になって考えることができるかできないか。

社員の身になって制度を整え、お客の身になって商品を作る。

それができれば、発展しないはずが無い。


「身を修めんと思わば、もって親に事えざる可からず」

読み方「みを おさめんとおもわば、もって しんに つかえざるべからず」

(意味)自分の言動を正しくしようと思うならば、まず親につかえなければならない。

→ 思いやりで最も大切な対象は、親である。

なぜならば、いざというとき自分の身代わりになって死んでくれるのは、親だから。

子を思う親心にまさるもの無し。


「親に事えんと思わば、もって人を知らざる可からず」

読み方「しんに つかえんとおもわば、もって ひとを しらざる べからず」

(意味)親に心からつかえようと思ったら、人についてよく知らねばならぬ。

→ 思いやりを表すのに形式(マナー)を用いる。

相手(人)に応じたマナーを知らなければ、伝えたいものも伝わらない。

よって、人についてよく知ることが必要となる。それではじめて親という最も重要な人につかえることができる。


「人を知らんと思わば、もって天を知らざる可からず」

読み方「ひとを しらんとおもわば、もって てんを しらざる べからず」

(意味)人についてよく知ろうと思ったら、天の法則を知らねばならぬ。

→ 誰に親しみ、誰に教えを請うのか。

それを間違うと、進むべき道も間違う。

天の法則を実践している師匠を選べば、間違いは無い。


「君臣なり。父子なり。夫婦なり。昆弟なり。朋友の交わりなり。五者は天下の達道なり」

読み方「くんしんなり。ふしなり。ふうふなり。こんていなり。ほうゆうのまじわりなり。いつつのものはてんかの たつどうなり」

(意味)君臣、父子、夫婦、兄弟、友との交わりの5つは、天下の古今変わらぬすぐれた道である。

→ 人間に大切なものは、人間同士どう交わるかということに尽きる。

仕事とは「人間関係づくり」であるとも言える。

これについては、どんなに技術が進歩しても変わらない。



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